設計比較例
四面ボックス(SN490)から「G385(冷間プレスコラム)」への置き換えによる設計比較及びコスト削減効果を検討しました。
四面ボックスから冷間プレスコラムへの置き換えによる設計比較の前提
【条件】
- 地上30階事務所棟でのコラム置き換え(四面ボックス(SN490) → プレスコラム(G385))
- レベル2地震動での最大応答層間変形角が、CaseⅠ(SN490)と同レベル(1/100)となるよう、CaseⅡ(G385)の試設計実施
モデル建物及び試設計条件概要
分類 | 想定建物概要 | 構造概要 | レベル1 固有周期 |
ダイアフラム 形式 |
使用鋼材 | |
---|---|---|---|---|---|---|
柱 | 梁 | |||||
CaseⅠ | 用途:事務所 階数:地上30階 高さ:124M 延べ面積:48,000㎡ 建築面積:1,600㎡ |
構造種別:鉄骨造 骨組形式:純ラーメン構造 階高:1,2階 6.0M、3階~ 4.0M スパン:X方向 8M、Y方向 16M |
X:2.93秒 Y:2.95秒 |
内ダイア | SN490C (四面ボックス) |
SN490B |
CaseⅡ | X:2.99秒 Y:3.00秒 |
通しダイア | G385 (冷間プレス) |
SN490B |
検討地震波
1) EL CENTRO 1940 NS
2) TAFT 1952 EW
3) HACHINOHE 1968 NS
4) BCJ Level-1,2
設計時のクライテリア
レベル1地震動:最大応答層間変形角 1/200以下、部材弾性範囲内
レベル2地震動:最大応答層間変形角 1/100以下、軸力比 0.75以下
検討結果
置き換えによる最大応答値(レベル2 地震波:BCJ-L2)
項目 | SN490 (四面ボックス) |
G385 (冷間プレス) |
|
---|---|---|---|
層間変形角(red) | X方向 | 1/103 | 1/109 |
Y方向 | 1/104 | 1/101 | |
軸力比 | XorY 1方向 |
0.729 | 0.620 |
XandY 2方向 |
0.863 | 0.735 |
置き換えによる柱寸法及び重量変化
階 | SN490 (四面ボックス) |
G385 (冷間プレス) |
||
---|---|---|---|---|
サイズ | 鋼重(トン) | サイズ | 鋼重(トン) | |
26~30 | 650□×22 | 208 | 600□×22 | 182 |
23~25 | 700□×25 | 153 | 650□×25 | 134 |
20~22 | 750□×25 | 164 | 700□×25 | 145 |
18~19 | 800□×28 | 130 | 700□×28 | 348 |
14~17 | 800□×32 | 1112 | ||
10~13 | 800□×28 | 248 | ||
3~9 | 800□×32 | 491 | ||
2 | 800□×36 | 124 | 800□×36 | 117 |
1 | 900□×36 | 141 | 800□×40 | 128 |
– | 重量合計① 2032 | 重量合計② 1793 |
置き換えによるコスト削減(期待効果)
検討結果のまとめ
- 1.高強度コラム(G385)の適用により、同等な耐震性能を確保した上で、コラムサイズ(=鋼材重量)の低減が可能であり、コスト削減効果が期待できる。
- 2.今回の試設計においては、柱置換によりコラムサイズは低減し、断面積は減少するが、レベル2地震波による応答変位量は置換前とほぼ同レベルにあることを確認した。
- 3.高強度コラム(G385)の適用により、使用鋼材重量が低減し、今回の検討においては軸力比も改善された。